前回に引き続き、本日のテーマは、ひとり税理士として独立後に愛用している仕事道具。
今回は会計・税務ソフトやその他の仕事で愛用しているソフトについてです。
税務ソフト
法人税の申告ソフトはJDL
税理士法人時代、経理部時代に利用していた申告書作成ソフトは株式会社ハンドの魔法陣でした。
長年利用していたので操作も慣れています。
当時は、下記のような不満がありました。
- 適格合併があった場合の別表5(1)での受け入れや欠損金の引継ぎの付表がない
- 非適格合併の資産調整勘定の別表がない
- 地方税の控除限度額の計算の特例の地方税の別表がない
- タックスヘイブンや過少資本税制などで使用する別表17関連がない
大規模法人にも対応って本当?と不満を言いながら、足らない別表は法人税全表やExcelで苦労しながら作成していました。
しかし、独立して個人で税理士として仕事をするのであれば、それらの別表を使う機会はほとんどありません。
魔法陣で決まりか?と考えていた矢先でした。
会計ソフト会社の話を一通り聞いてみようということでJDLの営業の方とお会いしたところ、なんと、JDLのIBEXクラウド組曲Majorの法人税の方が圧倒的に安いことを知りました。
お値段は、以下の通りです(2017年10月18日現在のホームページ掲載価格)。
<魔法陣>
新規 84,240円(税込)、バージョンアップ 27,000円
<JDL IBEX税務net® 法人税申告書>
年間利用料 14,000円、インストールライセンス 700円
※ 税抜価格
私自身はJDLさんのソフトを使ったことはないのですが、JDLさんといえば、税理士業界では誰もがしっている老舗の会計ソフトメーカーです。
それでこの価格。独立したばかりの税理士にとっては、使わない手はないでしょう(はじめからバンバン仕事を獲れる人を除いて)。
利用しての感想ですが、やはり初めは慣れていないので、何度もヘルプをみたり、時には電話で問い合わせをしたりなど、苦戦はしました。
利用して初めに苦戦したのがマイナス入力です。
何度入力してもマイナス入力ができません。
Excelで入力するときは、通常、「-」→「数字」の順で入力しますが、JDLのソフトの場合、「数字」→「-」の順で入力する必要があり、これに気付くのに30分くらい時間を無駄にしました…。
ExcelやWordを使う人が違和感なく使えるというソフトが理想だと思っている私からは物足らなさを感じますが、長年のノウハウが蓄積されたソフトメーカーですから、ソフトの正確性には信頼がおけます。
若干の使い勝手の悪さはありますが、信頼性の高さと画期的なお値段で、法人税申告ソフトはJDL IBEX税務net® 法人税申告書を選びました。
JDLのIBEXクラウド組曲Majorは、独立直後の税理士のとってありがたい値段設定になっています。
私は、法人税の申告ソフトのほかにも、下記についてはJDLのIBEXクラウド組曲Majorを利用しています。
- 勘定科目内訳書・事業概況書 10,000円
- 消費税申告書 8,000円
- 電子申告 10,000円
- 相続税・贈与税申告書 10,000円
- 財産評価 10,000円
※ 税抜価格
難点は、操作の問い合わせに料金がかかることです。
- 電話だと最初の10分2,000円、超過すると10分ごとに1,000円
- 問い合わせフォームやFAX 1案件 2,000円
私が契約した当初は無料だったのですが、2017年7月3日から有料化されました。
所得税は国税庁の確定申告書作成コーナーで十分
所得税の確定申告では、国税庁の確定申告書作成コーナーを利用しています。
私は社会人になったことから、医療費控除や株式の譲渡損失の繰越しで社会人になった当初から利用していました。
ユーザー数が多い影響でしょうか。無料のソフトにもかかわらず、毎年、改良が積み重ねられ、年々使い勝手がよくなってきています。
個人のお客様が多い方は、税務申告ソフトを購入したほうが効率的かもしれませんが、私の場合、法人メインのため、個人の確定申告対応は確定申告書作成コーナーで十分でした。
税務上の届出書・申請書
税務上の届出書や申請書については、国税庁のe-Taxソフトを利用しています。
こちらもやはり無料ですし、電子申告用ソフトであることから、他のソフトを使う理由が見当たりませんでした。
確定申告書作成コーナーと同じく、こちらも民業を圧迫している気がしてなりません(笑)
地方税では、電子申告をするために、地方税ポータルシステムのPCdeskを利用しています。
こちらはかなり使いづらいソフトですが、ペーパーレスというのは私のポリシーですので、頑張って利用しています。
会計ソフト
利用している会計ソフト
今、利用している会計ソフトは、以下のものです。
- 弥生会計
- Freee
- MFクラウド
- 勘定奉行
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クラウド会計のFreeeとMFクラウド
まず導入に取り組んだのは、話題のクラウド会計のFreeeでした。
クラウド会計とは、インターネットバンキングのデータやクレジットカードのデータ、請求書の発行などから自動的に仕訳を作成してくれるという優れものの会計ソフトです。
クラウド会計ソフトでは、FreeeとMFクラウドの2つが人気です。
簿記が苦手な方にはFreeeが、会計が分かる人や会計事務所勤務者にとってはMFクラウドが使いやすいという評判を聞いていました。
すると、税理士である私にとっては、MFクラウドに取り組むべしとなるところですが、私の場合、ゼロからの独立です。
最初の導入先というと、私の事務所経理や会社経理です。
Freeeの場合、認定アドバイザーになれば会計Freeeはフリー(無料)で利用することができます。
それに対して、MFクラウドでは、営業の方から最初の3月無料にしてくれるとの申し出を受けました。
そこで、私がまずFreeeを導入することにしました。
MFクラウドは使いやすいので、自分の事務所経理に使わなくても、すぐに慣れるだろうという目論みで、会計人には使いにくいという方も多い会計Freeeを事務所経理に使って、お客様へ導入できるようにしようと考えました。
使ってみて感じたのは、クラウド会計は導入しただけでは経理の負担は軽くならないということです。
自動仕訳の登録や効率的な利用方法を駆使することで、徐々に経理の負担を楽にすることができますので、効率化できるかどうかは使い方次第です。
やっぱり弥生会計の信頼性は需要がある
顧客ゼロからのスタートであったため、弥生会計の導入にはそれほど積極的ではありませんでした。
しかし、弥生会計のシャアは圧倒的No.1ということで、お客様からの導入の要望が強く、導入を決意しました。
そして、現在のところ、当事務所で最も導入件数が多いのが、弥生会計です。
クラウド会計の便利さよりも、長年の信頼と実績を選ぶ方の方が多いようです(当事務所の場合)。
結局は、最も利用頻度の高いソフトになりましたので、PAP会員になっています。
会費は年額60,000円で、弥生会計、弥生給与などの弥生製品を利用することができます。
独立当初は年会費とは別に入会金があったのですが、今年初めに入会金が廃止となったことから、PAP会員になることを決めました。
勘定奉行
個人的には、経理部時代に使っていたソフトということで、もっとも使い慣れているのが勘定奉行です。
しかし、他のソフトよりも若干、高いという印象があるせいなのか、小規模事業者では利用者数はそれほど多くはなさそうです。
小規模事業者向けには、Jシリーズがお勧めです。
OBCの「ASOS-アソス」会員になると、無料のエントリー会員であっても、奉行J-会計編―を利用することができます。
独立当初は、使い慣れた勘定奉行シリーズのソフトということで、奉行Jにはだいぶお世話になりました。
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【編集後記】
ゴルフレッスンとパソコンのせいなのでしょうか。ばね指になってしまったかもしれません。
朝起きると、指がパンパンで痛いです。
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