2017年度税制改正で421億円の減税~主な要因はNISAによる減税の影響~

平成29年度税制改正
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政府は、2月3日、平成29年度税制改正法案を閣議決定しました。財務省と総務省の試算によると、国税では170億円の増税、地方税では591億円の減税、トータルでは421億円の減税の見込みとのことです。

また、財務省から「平成29年度税制改正案のポイント」が発行されました。

http://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeiseian17.htm

2017-02-07 (2)

※ 出典:「平成29年度税制改正案のポイント」(財務省)

配偶者控除は税制中立だった

103万円の壁が150万円の壁に

これまでは、配偶者控除及び配偶者特別控除の見直しにより、配偶者控除38万円の適用を受けるためには、配偶者(妻や夫)の給与収入が103万円である必要がありました。2016年度税制改正により、2018年以降は、150万円まで38万円の控除を受けることが出来るようになります。

なお、名称だけの問題ですが、配偶者控除についてはこれまでと同様、給与収入が103万以下の場合の適用です。103万円を超えた場合には配偶者特別控除の適用となるのですが、給与収入150万円以下であれば、配偶者控除と同じ金額の控除を受けることができます。

年末調整の書類や確定申告書の記載では注意が必要になりそうです。

配偶者控除に所得制限が出来た

これまでは配偶者控除の適用を受けるための所得制限はありませんでしたが、配偶者控除の見直しに伴い、所得制限が設けられました。

これまでと同様に38万円の所得控除を受けるためには、給与収入が1,120万円以下である必要があります。

1,120万円を超え1,170万円以下である場合には、控除額は26万円に、1,170万円を超え1,220万円以下である場合には、控除額は13万円になります。

1,220万円を超えると配偶者控除の適用を受けることができなくなります。

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※ 出典:「平成29年度税制改正案のポイント」(財務省)

税制中立になる理由

所得制限により、所得税は390億円の増税になります。その一方、地方税は423億円の減税になります。つまり、配偶者控除の見直しによるトータルの減税額は33億円。ほぼ、税制中立といったところです。

ところで、なぜ所得税は増税になって、住民税は減税になるかというと、所得税は5%~45%の累進税率であるのに対し、住民税は一律10%であることが原因です。

なお、このままですと地方が減収になってしまいますので、住民税の減収分は、国から補てんされることになっています。

積立NISAの創設により240億円の減税

非課税期間が5年間、年間投資額が120万円の現行のNISAに加えて、2018年から積立NISAを選択することが可能になります。積立NISAでは、年間投資額の上限が40万円になるものの、定期的かつ継続的な方法で投資することにより、非課税期間が20年間になるというものです。この制度の導入により、240億円の減税になると見込んでいるとのことです。

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※ 出典:「平成29年度税制改正案のポイント」(財務省)

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個人的には、個人型確定拠出年金(iDeCo)のほうがメリットが大きいため、まずはiDeCoをやってみて、まだ投資余力があれば積立NISAかな、という印象です。

【2017年度税制改正案】積立NISAとiDeCo(イデコ)を比較
日本経済新聞の記事によると、2017年度税制改正により年間投資額の上限が40万円、非課税機関が20年の積立NISAが導入されるとのことです。2017年1月から加入対象者が広がる確定拠出型年金(iDeCo)と比較してみました。 ※ 2016年...

その他

そのほかの項目では、中小企業向け設備投資促進税制の拡充により120億円の減税となる見込みです。ただし、中小企業向け政策減税の適用要件が一部見直され、90億円の増税となります。

研究開発税制は、「サービス開発」が対象となったものの、増加型を廃止した影響で、130億円の増税を見込んでいます。

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【編集後記】

ここ2週間ほど、仕事の量が急増し、ゆとりのない生活を送っていまい、一日一新が食べ物と仕事関係ばかりになっていました。それ以外の新しいことができるよう、時間術を身につけなくてはと思う今日この頃です。

【昨日の一日一新】

神田税務署の食堂のカツカレー

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