パート主婦減税拡大で配偶者特別控除の認知度UP!?

平成29年度税制改正
■スポンサードリンク

2017年度税制改正で検討されている配偶者控除の見直し。2016年11月6日の日経新聞の報道によると、政府・与党は配偶者特別控除の減税の枠を拡大することによって、パート主婦の減税拡大を目指すとのことです。「税制中立」(減税と増税で同じ程度の規模とし、税収が減らないようにする)の下、パート主婦の減税拡大を行うので、その代わりに現在は所得制限のない配偶者控除に所得制限を設けることも検討されているとのことです。

dsc_0595-1

認知度が低い配偶者特別控除

妻(夫)の給与が103万円を超えると配偶者控除の適用が受けられなくなり、税金が激増するかというと、そうとは限りません。

103万円を超えると配偶者控除は受けられなくなりますが、夫(妻)の合計所得金額が1,000万円以下などの要件を満たせば、その代わりに配偶者特別控除の適用を受けることができます。配偶者特別控除については、下記の記事をご参照ください。

2017年度税制改正で配偶者控除見直し検討~働き方改革~
自民党の宮沢洋一税調会長は、日経新聞のインタビューで、2017年度税制改正で配偶者控除の見直しを検討すると表明したとのことです。配偶者控除が女性の社会進出を阻む壁となっており、働きの有無に関わらず控除が受けられる制度を創設して女性の就労を促...

なお、妻(夫)の給与が105万円未満であれば配偶者特別控除の控除額は38万円のままで、105万円になると配偶者特別控除の控除額は36万円となるので、それを例に負担額を検証してみましょう。

仮に、妻(夫)の給与収入が104万9千円だった場合

増加する所得税額は900円となります(計算式は以下の通りです)。

(104万9千円ー給与所得控除65万円)-基礎控除38万円=課税所得1万9千円

1万9千円×所得税率5%=900円(百円未満切捨)

※ 復興税の影響は考慮していません。

仮に、妻(夫)の給与収入が105万円だった場合

運悪く(?)妻(夫)の給与が105万円だったとすると、配偶者特別控除の控除額は36万円になってしまいます。

妻(夫)の所得税額は、1,000円となり、104万9千円の時と比べて100円UPです。

(105万円ー給与所得控除65万円)-基礎控除38万円=課税所得2万円

2万円×所得税率5%=1,000円(百円未満切捨)

そして、これとは別に、配偶者特別控除の控除額が2万円下がったことにより、夫(妻)の所得税がその適用税率に応じて上がることになります。

夫(妻)の所得に対する税率が10%であれば、2万円×10%=2,000円の負担増です。

※ 復興税の影響は考慮していません。

103万円の壁よりも100万円の壁のほうが影響が大きい!?

配偶者特別控除の適用があれば、上記で述べたように、所得税は激増しません。ただ、それとは別に年100万円(東京都の場合)を超えると、住民税の負担が生じます。

給与収入が100万1千円のケースであれば、住民税の金額は8,100円発生します。つまり、100万円を千円超えてしまうと、手取りが992,900円となり、給与100万円の時と比べて手取りが減ってしまいます。

<所得割>

■スポンサードリンク

(100万1千円ー給与所得控除65万円)-基礎控除33万円=課税所得2万1千円

2万1千円×税率10%=2,100円

<均等割>

5千円(平成26年度~平成35年度までは復興税としてプラス千円)

103万円の壁というのは配偶者手当の影響?

配偶者特別控除の適用を受けることができれば、所得税については劇的に増加するのが防げるようになっており、どちらかというと住民税の100万円の壁のほうが影響が大きいといえるでしょう。それにもかかわらず、103万円の壁が意識されるのは、企業が専業主婦(主夫)のいる世帯に支給する配偶者手当の影響というのもあるのでしょう。

まとめ

給与収入が105万円の場合、かかる税金は下記の通りです。

  • 所得税:1,000円
  • 住民税:13,000円

配偶者特別控除を受ければ、その夫(妻)の増える所得税額は1,000円~4,000円程度です。

正社員である夫(妻)の会社に配偶者手当がないのであれば、配偶者特別控除の適用を受けることで、ちゃんと手取りを増やすことができます

つまり、配偶者特別控除の認知度が低いがために、103万円の壁は必要以上に意識されてしまっているのでしょう。

もちろん、配偶者手当のある会社や年収が1230万円を超えるような給与をもらっている夫(妻)の配偶者であれば、主婦(主夫)のパート収入が103万円を超えると負担が激増して今います。このような仕組みも、見直しを検討してもらいたいものです。

今回の日経新聞の記事では、配偶者特別控除を活用して給与150万円までは税負担が増えないようにするということが報道されました。8月に記事を書いた時とは方向性が異なってきていますので、今後どのような方向で税制改正が行われるのか気になるところです。

||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||

【編集後記】

日曜日、長女の希望でブックオフへ。長女曰く、「本屋さんだと高くて本は買えないんだよ」。これは、暗に「お小遣いが安すぎるんだよ」ということを訴えているのでしょうか??

【週末の一日一新】

ストアカで先生登録

ブックオフ川口領家店

1人でピザ作り

------------------------------

※この記事は、投稿日現在の状況、法令に基づいて書いています。

また、ブログの内容等に関する質問は、受け付けておりませんのでご了承ください。

------------------------------

タイトルとURLをコピーしました