日本は同調圧力が強いといわれています。
「みんなと群れて、目立たずに、みんなと同じことをする」という風潮。
そんな風潮に流されそうになる時もあるけれど、流されずに生きていきたいということで独立の道を選びました。
小学校から始まる同調圧力
みんなと同じじゃないとダメ?
学校では、小学3年生から習字の授業が始まります。
そこで、学校で配られたのが上図の「書写セット」の申込用紙です。
学校の保護者会では、先生が写真上部の「スマート書写セット」という従来よりも軽量でサイズも小さいコンパクトなものを勧めていたそうです。
しかし、我が家では習字の時に使う新聞紙を入れたりするのに、収納に余裕があったほうがいいのではということで、写真下部の「書写セットR」を購入しました。
そして、書写セットが小学校で配られた日、うちの二女が涙を流して帰ってきました。
「その書写セット、使っちゃダメなんだよ」
と同級生数名に強く言われたとのことです。
クラスで書写セットが配られたとき、クラスメイトに配られたのは「スマート書写セット」でうちの子だけ「書写セットR」だったのです。
教室でクラスメイトから責め立てられ、さらに下校時にも言われてしまい、ひどく落ち込んで家に帰ってきました。
この申込書の中のものであれば何を選んでもはずの書写セット。
その中から買わずに自分で選んで買ってきても、おさがりでも構いません。
そんなものであるはずなのに、保護者会で先生が勧めたものを多くの家庭が購入し、我が家だけが書写セットRを購入。
他で買ったものやおさがりだったら目立たなかったかもしれませんが、学校でみんなと違うものを選んで購入したことで目立ってしまい、同級生に強く非難されてしまったのです。
責めた同級生たちも悪気があってのことではないのでしょう。
知らず知らずのうちに身についてしまった同調圧力がそうさせてしまったのです。
同級生の箸を折ってしまう事件
これは私の話なのですが、小学1年生の頃、同級生の箸を折ってしまったことがあります。
小学1年生というと、キャラクターものの絵が描いてあるプラスチックの箸が人気で、同じクラスの全員がと言っていいほど、みんなプラスチックの箸を学校に持ってきていました。
そんな中、私が母親から持たされた箸は、普通の地味な木の箸でした。
母は子供向けのプラスチックの箸を好ましく思っていなく、木の箸のほうが絶対に良い!という気持ちで私に木の箸を持たせたのです。
みんなと違って私だけ木の箸で、何だか恥ずかしく感じていました。
そんな中、同級生から「なんだそれ~?」(って言われたかは定かではないけど)とバカにされたのです。
メソメソと泣いてくるわが娘たちとは違い、私は血気盛んなクソガキだったのでブチ切れちゃいました。
そして、同級生の箸を取り上げ、折ってしまったのです。
同級生からからかわれてメソメソ泣いて帰れば同情の声でもかけてもらえたのでしょうが、一転加害者側に回ってしまったので同情されることもなく・・・。
思い返してみれば、もうこの頃から同調圧力との闘いだったようです。
その後も血気盛んなクソガキだったので、カウンター攻撃にでてしまって加害者側に回ってしまって怒られるのが私のお決まりパターンでしたが・・・。
みんなと同じ道を選ぶのか、それとも自分の意志で道を選ぶのか
就職活動の違和感
大学生3年生になると、企業からたくさんのダイレクトメールが届くようになりました。
そして、周りの同級生も大企業への就職を目指すべく、就職説明会に参加したり、リクナビに登録したりと、就職活動を始めだしました。
理想とされる生き方は、下記の通りでした。
大企業に就職して、比較的高めの給料をもらって、その会社で定年を迎えるまで働き通すこと
私の父がまさにこの生き方でした。
そして、そのおかげで家族5人が何不自由なく暮らしていくことができ、子供3人とも大学までちゃんと出してもらうことができました。
ですから、うちの両親も子供がそのように生きることを望んでいました。
しかし、私はこれに強い違和感を感じたのです。
会社を選ぶことはできても、その先は定年まで選ぶことが制限される生き方になってしまうという懸念がありました。
仕事の内容や働く場所は人事部が決めるので、自分で選ぶことが出来ません。
もちろん希望を出すことはできるのでしょうが、希望は必ず通るわけではありません。
そして、みんなと同じ就職活動の道を選ぶことはやめ、税理士試験の勉強を始めました。
とはいっても、当時は資格ブームで弁護士、公認会計士、税理士などの士業を目指す学生も多い時代ではありましたが。
まあ、それでも少数派であることには変わりありません。
「独立したいのであれば中小の会計事務所がいい」というのにも逆らってみる
税理士を目指す方へのおすすめの就職先ということで、将来的に独立を目指す方は「中小の会計事務所」がいいと一般的に言われています。
私は将来的には独立したいと思っていましたが、「中小の会計事務所」を選ばずに、世界4大会計事務所の1つである大規模税理士法人(「Big4の税理士法人」と言われているところの一つ)を選びました。
「独立したらお客様は中小企業になるのだから、中小の会計事務所で経験を積んだほうがよい」といったことが税理士の就職向け記事にはよく書いてあります。
そういった一面はなくはないのでしょうが、「中小の会計事務所」を経験しないと独立ができないかというとそんなことはありません。
むしろ、私にとっては、Big4の税理士法人にいたからこそ、独立しても何とか食べていけているというのが実情です。
税理士の数は全国で約7万6千人いるといわれています。
税理士はあちらこちらにたくさんいます。
その中でお客様と契約を結び、食べていくって簡単なことではありません。
社会人時代営業をやったこともないし、向いてもいない私にとっては、独立を決意するにあたって最も不安であった部分であり、実際に独立してからも日々試行錯誤しながら答えの見えない課題です。
それでも、なんとか今、お仕事を頂いているのは、独立した税理士の中では少数派に属する経験を有しているからです。
独立してからの1年半で、下記のようなことが役立ち、仕事に繋がりました。
- 外国法人の税務申告ができる
- 外国との取引があったときに必要な租税条約の手続きが分かる
- 外国子会社があるときの税務上の留意点がわかる
- 税効果会計の計算シートが作れる(といっても連結の税効果はできませんが・・・(そこは税理士には期待されていないので問題ないと思ってます))
最後の一つは、税理士法人の後に勤めた東証一部上場企業の経理部での経験が生きました。
Bi4税理士法人出身で、経理部を経て、さらに、証券会社のM&A部門を経ての独立という少数派を選択しているからこそ、激しいパイの奪い合いに巻き込まれることなく(むしろ、パイを取りに行ったらすぐに軽く吹っ飛ばされて今に至るという感じではあるのですが。。。)、お仕事を頂いています。
少数派を選択することで、厳しい競争を回避しながらも、お客様から選んでいただけているのです。
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【編集後記】
とある記事を読んでいたら、「同調圧力」は日本の小学校、中学校の学校生活の中での集団生活に原因があるということが書いてありました。
「個性を磨け」とか「オンリーワンを目指せ」というのは掛け声だけで、実際には「みんなと群れて、同じことをする」という考え方になり、そのように人生を選択してしまうようになるのだとか。
「自分や集団に同調しない人」は変人、変な人、異端といった扱いを受け、「集団になじめないかわいそうな人」と思われてしまうようです。
では、同調圧力に負けずに生きるにはどうすればよいか。
私は独立することでその第一歩を踏み出すことができましたが、自分の子供の教育となると、どのようにして「個性を磨く」のか、答えが見つかっていませんので、これからじっくりと考えようかと。
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