本日(2017年2月3日)の日本経済新聞の記事によると、総務省は新しい電子納税制度を導入し、一度の手続きで複数の自治体への納税が完結するシステムの導入を2019年10月に導入することを目指すとのことです。
また、財務省は、2018年1月から生命保険料控除の証明書をメールなどで電子的に受け取って提出することを可能にするとのことです。
面倒くさい地方税の納税手続き
給与から天引きされている住民税(「特別徴収額」といいます。)は、会社が従業員の自治体へ納付します。これは自治体ごとに行うことになりますから、従業員が10人いて住んでいる市町村が別々だとすると、10か所の市町村から住民税の通知が会社に送られてきて、10枚の納付書を使ってそれぞれ納税することになります。
従業員数が数百人、数千人いる会社はどうなんだろう?と考えただけでもぞっとします。電子納税で済ますことができれば楽になるのでしょうが、2017年2月3日現在で、電子納税が可能な市町村は、関東では横浜市と川崎市のみという惨状です。基本的には、納付書を金融機関に持って行って納付しなければなりません。
所得税の納付は全従業員一括でできるのに、住民税の納付は従業員の住んでいる自治体ごとのため、納税手続きに手間暇がかかってしまうのです。
地方税の申告手続きは電子申告で効率化
国と地方で分かれていると言えば、法人税の確定申告と住民税の確定申告です(ぱっと、そう思うのは税理士くらいかもしれませんが…)。これも、国と地方で分かれているので面倒くさいです。
法人の場合、東京23区のみに事業所がある場合には、まだ地方税の申告は1か所で済むのですが、東京23区以外ですと、都道府県と市町村にそれぞれ確定申告をする必要があります。
全国47都道府県、300以上の市町村に支店や営業所がある会社の申告書を作成したことがあるですが、その時は都道府県民税だけで47か所、市町村で300か所へ確定申告書を提出しました。
プリントアウトして、都道府県、市町村ごとにそれぞれ提出用、お客様控え、税理士法人控えと3部用意して、ホッチキス止めと控え印と税理士印を押すという作業を数人で行い、申告書のセットだけで3日間はかかりました。提出先ごとに郵送用の封筒を用意するだけでも、ひどく大変でした。提出先の住所のチェックだけでもかなりの時間がかかっています。多分、お客様の方でも、それぞれの申告書に押印をするのは相当大変だったことでしょう。
今やるとしたら、当然、電子申告ですね、さすがに。電子申告であれば、クリック一つでこの手続きが完了します。
今年(2017年1月)から始まった給与支払報告書と源泉徴収票の電子的提出の一元化はどうだったか?
このように、国と地方で別々に処理することを一元化しようとのことで、今年から始まったのが給与支払報告書と源泉徴収票の電子的提出の一元化です。
私もチャレンジしようとしましたが…、地方税の電子申告システムeLTAXが使い勝手が悪く、断念しました。
PCへのインストールも、過去のバージョンをアンインストールしてからインストールし直すという面倒なことが必要になったり、ソフト自体も使い勝手が悪く、直感的に使えないとのことで、明らかに紙での提出のほうが早くて効率的という惨状でした。
また、eLTAXでは、1月27日から31日かけて、予想を上回るアクセス数により、接続障害が発生してしまいました。
電子申告推進派の私としては、来年こそは給与支払報告書と源泉徴収票を一括して電子的提出をしたいと思いますので、システムが改善され、円滑に手続きできるようになることを期待したいと思います。
まとめ
住民税の電子納税の一元化は、事務作業の効率化の観点から、是非とも進めてもらいたいものです。ただ、現状のeLTAX自体がまだまだ使い勝手がよくないので、期待しすぎることなく、導入を待ちたいと思います。
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【編集後記】
午前中は新規案件の商談。夜はストアカで自主開催セミナー『個人事業者・フリーランスのためのゼロから学ぶ青色申告』を実施しました。1月は開業以来最も忙しい1か月になりましたが、有難いことに、2月も仕事の予定が多く、さらに忙しい1か月となりそうです。
【昨日の一日一新】
3社の確定申告を同日に受注
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