1年前に会社を退職し、それ以来ひとりで仕事をしてきました。ひとりで仕事をするということにはメリットもあり、デメリットもありますが、デメリットは思ったよりも小さかったというのが率直な感想です。
ひとり仕事のデメリット
ひとりで仕事をしているというと、「大変だね」と声をかけれることがよくあります。その「大変」には、話し手によっていろいろな意味が込められています。
- アドミ業務(請求書の発行、郵便物などの発送、会社の経理、社保の手続きその他の管理業務のこと)を含めて一人でやらなくてはいけないので、忙しそう
- 人を雇うほどのお金がなくて大変そう。儲かってなさそうだけど生活大丈夫?
- 一緒に働く人がいなくて寂しそう
- 自由すぎてダラダラしてちゃんと働けなくなるんじゃない?
当たらずも遠からずといったところです。
ひとり仕事のデメリットとしては、
- 時間が足らない(自分ひとり分の時間しか仕事に投下できない)
- アドミ業務が面倒くさい
- 自分で営業をしなければいけない
- 獲得した仕事はすべて自分で仕事をしなければいけない
- かかってきた電話は自分がとらないといけない
- すべて自分が意思決定をし、その責任を取らないといけない
- 単価の安い仕事ばかりとると貧乏暇なしになる
- 自分でなくてもできる仕事をやっていると他人にその仕事を振りたくなる
- 意識して人と会うようにしないと人と会わなくなる
- 仕事をちゃんとやらなくてもそれを注意する上司がいない
- しっかりしていないと早寝早起きができなくなってしまう
- ひとり仕事のために取れない仕事がある
といったところでしょう。
ひとり仕事のデメリットへの対策
時間が足らない
私が感じる一番のデメリットは、時間が足らないということです。
仕事上、私がやらなければいけないのは、
- 仕事をとるための営業
- 仕事をとった後、サービスをお客様へ提供すること
- 契約書の締結、請求書の発行、その後の経理処理などのアドミ業務
といったすべての業務を分業することなく、すべてひとりで行うことです。
アドミ業務は、大企業にいる頃と同じようにやってしまうと非効率ですから、それなりの工夫が必要です。
関連記事:1人でアドミ業務をこなしながら営業をして、税理士としてサービスを提供するのに工夫していること
電話は必要最小限に
そういう状況の中、最も迷惑なのが知らないところからかかってくる営業電話です。
時間を有効利用すべく集中力を高めて仕事をしているときに、電話はその集中を中断させます。有限の自分の時間を意図しないことで搾取されてしまうのです。
ひとりで仕事をする場合には、連絡手段は主にE-mailにすべきでしょう。
確かに、電話の方が文字情報よりも伝えない内容の意図やニュアンスが伝わりやすいですし、文字だけだと誤解を生むようなことを話をすることで防ぐことができます。ただ、それが常に必要な訳ではありませんから、基本的にはE-mailで連絡をし、必要に応じて直接会って打ち合わせをし、それでも不足するのを電話で補う程度にしたほうがよいでしょう。
直接電話で伝えないと失礼という考えもあるかとは思いますが、電話をすることで相手の時間を奪うというのも相手にとっては不都合になります。急ぎでなければ、メールを送って相手の都合のよいときに返信をしてもらうということで相手の時間の使い方も尊重したほうが相手のためにもなるのです。
単価の安い仕事ばかりやらない
時間は有限ですから、単価の安い仕事ばかりで望む収入を得るには、プライベートを大幅に削って仕事をしまくるといったことが必要になります。
プライベートの時間というのは、削っていいものではありません。人生の幸福度というのは仕事だけではなく、プライベートを充実させ、そのバランスをとることです。
プライベートを犠牲にして、家庭内不和で家にいても居心地が悪いようであれば、それはよい人生とは言えませんし、仕事をしなかったらしなかったで食べていくことはできません。
より実りのある人生を送るためには、単価の安い仕事を大量にこなしてプライベートを犠牲にするのは、避けなければなりません。
それでも、単価が安くても引き受けるべき仕事は、なくはないでしょう。次のような仕事は、単価が安くてもやる価値はあるものです。
- 広告宣伝効果がある
- 高単価の仕事への導線としての単価の安い仕事
出版関連は単価が安いことが多いのですが、「広告宣伝効果」があると言われています。中には、無料で記事を書くという「寄稿」という形態もあります。私も一度だけ寄稿したことがありますが、あまりにも効果が薄かったので、それ以来、寄稿は受けないこととしました。
特に、ブログを運営している場合には、ブログ自体が寄稿みたいなものですから、他のサイトへ記事を提供するのではなく、自分のブログのアクセス数を増やす工夫をして、自分の記事の効果を高めたほうがよいでしょう。
高単価への導線としての単価の安い仕事は、営業戦略上、よく用いられる手法です。無料のセミナーなどはその典型例といえるでしょう。ただ、場合によっては単価の安い仕事を量産することにもなりかねませんので注意が必要です。
仕事はちゃんとやるようになる・人と会うようになる
「会社に行くと仕事できるけど、1人で家にいたら仕事できないなぁ~」というのは、独立すれば解消できます。なぜなら、仕事しないと食べていけないから。
独立すると、有給休暇はなくなります。給料が入りつつも給料がもらえるといったことがなくなりますから、「仕事しない=収入がない」ということになるのです。
ひとりで仕事をすると寂しいのでは?人と会わなくなってしまうのでは?という不安も、独立すると解消されます。
何だかんだ言って仕事は一人ではできません。お客様あっての仕事ですから、人と会わないということはなく、人と会わないと仕事になりません。
ひとり仕事のためにとれない仕事がある
ひとりで税理士事務所を運営しているということで、敬遠されることがあります。人数の多い大規模に展開しているところのほうが安心だということで、仕事がとれないことがあります。
ただ、それはそれで仕方がないことだと割り切っています。ひとりで運営している関係上、作業量の多い仕事はとることができません。
でも、それでよいのです。作業をこなすことを売りにしているのではなく、提案力や付加価値の提供に重きを置いているので、作業量の多い仕事は私にとってはミスマッチです。
ミスマッチを防ぎ、win-winの関係を築くことができるお客様とともに仕事をしていけばよいのです。
まとめ
ひとり仕事の最大のデメリットは時間が不足しがちになるということですが、だからこそ効率的に仕事をすることになりますし、無駄なことはやらないようになります。
人を採用しているから、敢えて仕事を作るとか、合わない仕事でもとるというのは避けたいと私は考えています。
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【編集後記】
本当はひとり仕事のメリット・デメリットが書ければいいなと思った本稿ですが、デメリットとその対策だけで結構なボリュームになってしまいました。メリットはそのうちまた書かないとですね(^-^;
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